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くろす ひろたか

黒須 寛敬 さん

卒業年:

2003年

 

現在の勤務先:

国際協力機構(JICA)(当時)

仕事内容:

開発途上国支援・投資業務

世界の人々の、心の中に

紛争、貧困、教育、衛生環境など、開発途上国が抱える深刻な問題は数多い。そのような国々を支援する機関の一つである「国際協力機構(JICA)」で、日々課題解決に挑んでいる。初めて海外に行ったのは中学生の時。買い物をした際には、現地の生活の一部になれる楽しさを感じた。「海外も、行ってみればなんでもない!」。大宮高校理数科に入るも文転。「英語がどれだけできるかではなく、英語で何をするかだ。」という先生の言葉が心に響いた。国際基督教大学入学後に参加した国際ボランティア。途上国で出会った子供達の笑顔の裏には、複雑な過去もあったという。「この子達には、もっといい世界があることを知って欲しいと思った。」と、当時のことを振り返る。

幅広い分野の課題に取り組みたいという思いでJICAに入ってからは、様々な国で、多くの任務を担当してきた。行く国に合わせて、よりよい提案のために現地の文化や風習を勉強。実際に、その国の政府から農民まで、話し合いの相手も多岐にわたるが、相手を尊重するという基本は変わらない。インフラ整備や人材育成など、現地のニーズに合わせた仕事をこれからも続けていきたいと話す。

とある国で共に働いた人に言われた。「いつか君の名が世界で有名になるのを楽しみにしているよ。」大切なのは、人生において何を知り、誰に出会うか。まずは色々なことに挑戦するべきだと、私達に投げかけた。「自分にしか出来ない仕事をしていると思えるのが、僕の原動力です。」そう語る彼の表情は、なんとも誇らしげだった。

​3年4組 女子

国際的に働くこと

「お前は一生逃げ続けるのか。」中学の野球部を退部するとき、顧問にこう言われた。この言葉のようにはなるまい、そんな強固な決意のもと努力してきた結果が、現在の黒須寛敬の全てだ。現在JICAに所属し、海外で人材能力強化支援やインフラ開発支援を行なっている。外務省が主に外交政策を担当するのに対し、JICAは開発支援の実施機関として支援現場に直接赴いて現地の人とも頻繁にコミュニケーションもとる。「JICAは人生の3分の1は海外」と言われるほどだから、英語は必須、英語圏ではない国に行くときはその国の言語も日常会話程度はできるように日本で勉強して行く。

JICAとして働いてきた中で最も鮮明に残っていることは、イラクでの技術支援活動だ。防弾チョッキは着用しているものの、銃弾はどこから飛んでくるかわからない。そんな中で現地のイラク人と対話を重ねて行く。最後の日、イラクを出るとき、仕事相手だった副大臣と握手を交わした。「君の活躍をニュースで見れるのを楽しみしている。」彼のこの言葉はきっと一生忘れない。

明らかに課題なのに、誰も手をつけられていないことにチャレンジしたい。そんな思いが今日も自分自身を突き動かす。現地に行ってみて初めて分かることがたくさんある。世界は広い。でも自分が思っているよりも遠くない。これが国際的に働いて一番実感していることである。「やらぬ後悔よりやる後悔。高校生のみなさんには、できることから、積極的に取り組んでほしいと思います。」 

​2年7組 女子

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