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まつもと こうじ

松本 幸司 さん

卒業年:

2006年

 

現在の勤務先:

小野薬品工業

仕事内容:

薬の分析研究

広げつながる夢と輪

 

子どもの頃、バファリンを飲むと副作用で蕁麻疹がでた。成分の半分は「やさしさでできていると謳われていたが、なぜ自分には副作用が起きたのか?薬学への興味は膨らみ、2004年大宮高校理数科へ進学。その後、東京理科大学、同大学院で副作用のメカニズムについて学んだ。研究職を志し、講義、実験を繰り返す忙しい毎日。苦手な科目は仲間とともに教え合った。厳しくとも、夢への一歩だと意欲的に取り組んだ。

現在は小野薬品工業株式会社、分析研究部に勤務。治験薬の分析や分析方法の開発などを行っている。抱いていた「研究」という夢とは縁の薄い仕事であり、大学で培った知識や経験はほとんど役に立たない。そんな中、一番大切だと感じたのは社交性だった。失敗を互いにカバーしあい、困難があれば相談しあう。当初は希望したグループとは異なる配属に戸惑いもあったが、今は楽しくやっていると笑顔で話す。実は多忙な学生時代にも部活動、生徒会活動、サークル活動、アルバイト、留学と、人とつながることに喜びを見出していたこのことが、今の自分に活きているという。挨拶や、何気ない会話からでよい。「自分から輪を広げてみて」とアドバイスする。

今、目を向けているのは海外だ。勤務先の小野薬品は現地法人をもつ。日本と海外では薬の審査に関する基準が異なることも少なくない。より有効で、より安全な薬をより円滑に世界中の患者さんへ届けたい。新たな目標とともに、つながりの輪はさらに広がろうとしている。

​1年9組 男子・女子

製薬会社で新薬を生み出す

「病気を治すためのものであるのはずなのに、なぜ薬を飲むと副作用が起るのだろう」。この疑問が薬学の道に進むきっかけとなった。東京理科大学進学後は副作用の研究をするため免疫学を専攻するも、途中で断念。卒業研究は「ホウ素中性子捕捉療法用リポソーム製剤の開発」。調製した薬をマウスに投与して脳に届かせ、放射線を照射してがん細胞を破壊するために必要なホウ素の蓄積量を見るもので、がん治療研究にあたる。「大学時代はひたすら勉強と実験で、徹夜で研究の時には炊飯器を持ち込んだ」と楽しそうに振り返る。ハードなスケジュールにも関わらずテニス、バスケットボール、野球サークルに所属し充実した大学生活を送った。

大学院卒業後、小野薬品工業株式会社に入社。大学時代に培った知識を生かしたいという気持ちから製剤研究部の「製剤グループ」を希望するも「分析グループ」に配属。学んだことが使えないゼロからのスタートだった。現実社会の厳しさを痛感させられた。今では「自分が評価した薬が臨床試験に使用されると思うとやりがいを感じる」。

入社してからは、仕事を行う上でのチームワーク、会議などに向けての入念な準備、社交性が重要となることを学んだ。「高校、大学時代に僕を知らない人はいなかった。自分のコミュニティーは常に大きく」と確かな眼差しで語る。明るい語り口調からも社交性に富むのが伝わってくる。「将来は自分達で作った薬を海外でも飲んでもらえるようにするための業務に就きたい」。強い意思を持ってきっぱりと言い切った。

​3年3組 女子

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