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みやさか こうた

宮坂 恒太 さん

卒業年:

2001年

 

現在の勤務先:

東北大学 加齢研究所 ⇒

Salk Institute for Biological Studies

仕事内容:

助教 ⇒ 研究員

研究好きな薬学研究者

カプサイシン、リコピン、サリドマリド、ニトログリセリン。薬の中には、病気に効くがその過程が分からないもの、偶然別の用途が見つかったものなどがある。要するに、まだ分からないことが多いのだ。薬学とはそれらを解明、利用して人の命を救う学問だ。

大学選びでは自分のやりたいことを研究する研究室を、自力で調べて選んだ。山形大学理学部生物学科で好きな科目を中心に履修した。しかし、目指していた研究室の教授が退職。それでも就職は考えず、東北大学大学院生命科学研究科博士課程に進学。第一の目的は研究だった。朝九時から夜十一時まで研究を続ける。ひたすら研究に打ち込んだ。博士号取得後、研究室の助教になる。教授の口癖が、その過酷な境遇をよく表している。「科学に休日なし」だ。そして今、博士研究員としてアメリカのソーク研究所へと拠点を移す。

研究については、「現象に直面したらまず仮説を立てて実証。解析して、考察して、一つの結論を導き出す。それが楽しい。」と話す。既存の薬や天然生理物質から別の効果を探す術は、何万回も実験を繰り返して結果が出るのを待つしかない。副作用の有無にも気を付ける。地道な作業だ。研究費も限られ、成功するとは限らない。しかし、実験の結果は自分だけが世界で初めて見るのを許されたもの。行き詰った時は仮定に戻り、納得がいくまで考え直す。現象を明らかにするこの過程が好きだからこそ楽しいと感じられる。「研究に始まりはあるが、終わりはない」。人の命を救うため今も研究を続けている。

​1年6組 男子

効き目を探る

「NO HOLIDAY ON SCIENCE」。直訳すると、「科学に休みはない」。日本独特の、科学界の常識だそうだ…。子どものころから夢は博士。自分のやりたいことを研究している教授を求めて、自宅から離れた大学に入学。しかし、教授が早期退官するというまさかの事態に教授の助言を受け、東北大学の大学院に進学した。生命科学研究所、加齢医学研究所。日々の生活の大半を実験が占める。「実験に終わりはない。」笑みを浮かべてそう話す姿からは、追い求め続けた「やりたい」を満喫している様子が伺える。人生の道を選択する際にも、自らの気持ちに正直であった。博士号を五年かけてとった後に、就職ではなく研究者としての道に進んだ。

風邪薬で解熱作用を発揮するとされる成分、アスピリンやアセタミン。これらになぜ、作用があるのかはよく解明されていない。唐辛子に含まれるカプサイシン。この成分にある脂肪燃焼作用の仕組みも不明なのだという。これらの解明は、新薬の開発に大いに役立つはずだ。

より高度な研究を求めて、これからアメリカに渡り、ソーク研究所に入所する。世界で代謝についての研究を独占している、整った研究環境だ。実際、海外は実験費、マンパワーが日本の比ではないほど充実している。とは言え、日本から離れて研究に身を捧げることの厳しさは容易に想像できる。いつでも「好きなものにとことん取り組む」のは最も大切なことだ。人は、夢中になると寄り道をする暇も無いそうだ。彼の次なる視線は糖尿病の薬に向けられている。

​2年6組 男子・女子

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