おおすぎ みほ

大杉 美穂 さん

卒業年:

1989年

 

現在の勤務先:

東京大学大学院

仕事内容:

総合文化研究科広域科学専攻准教授

分子細胞生物学研究

ゼロから始める研究生活

「研究がしたい」生命科学の基礎研究者である大杉美穂さんは2013年、そんな思いから東京大学に自身の研究室を立ち上げた。大杉さんは平成元年に大宮高校を卒業し、東京大学理科Ⅱ類へ入学。その後理学部、理科系大学院、ポスドクの経験を経て助教授、准教授の地位を得た。現在は、細胞分裂のとき、染色体を一本も損なうことなく二等分する仕組みについて研究をしている。

そもそも「基礎研究」とは、世の中の利益に直接結びつかないことを発見することであり、応用研究のために必要なものをゼロから創ることだそうだ。「何の役に立つかはわからないけれども、これがないと何も始まらない。」大杉さんは基礎研究についてそう語るが、このことこそがまさに彼女を魅了し、研究を続けさせている理由なのだ。

私達、高校生に今できること、やるべきことはいったい何だろうか。「将来使いそうにない、やりたくないことが高校生活には沢山ある。しかし、そのようなことにも真剣に取り組んで自らの基礎を築き上げていくことが何よりも大切。」大学受験の際、後悔はしたくないと人並み以上の努力をしてきた大杉さんの言葉には強い思いが込められていた。

「研究で良い結果が得られるのは五パーセント程だけれども、本当に楽しくて好きだから続けていきたい。」大杉さんは目を輝かせて言う。今日も、大杉さんは如何なる時も最善を尽くすことをモットーに熱心に研究を続けている。

​1年9組 女子・男子

「やりたい」 の力

染色体は分裂時、なぜ一本も損なわれないのか?東大で准教授として働きつつ、自分にとって興味のある研究をしている。傍から見るとそうかもしれないが、本当は逆。「自分の研究を続けるために東大で働いているんです。」やりたい、その気持ちひとつで大学で研究を始めた。予想の九割五分は外れる。残るたった五分の確率に引き込まれていった。

まわりと比べ、自分に自信はついていなくても、覚悟はできた。チャレンジする覚悟を決めた彼女の心には、ある言葉が残っていた。『人生の中で「今」が一番若い』。やりたくないこと、役に立ちそうにないこと、どんなことでも真剣に取り組んできた。適当にやろうが一生懸命やろうが、その時は大差ないかもしれない。しかし、それはいつか返ってくる。見る目がある人は必ずわかってくれる。そう信じてきた彼女には、厳しい道でも乗り越えられる基礎体力がついていた。

楽しいことよりも大変なことの方が多い。理系の女性が少ないという現実。そんな中で支えになるのは、同じ立場で頑張る女性の存在と、今までの自分の努力だった。

たくさんのことに興味をもつことは、選択の幅が広がって良いことだ。逆に、一つの物事を好きだ、やりたいと思う気持ちは、大きな原動力となる。「目標に向かって登っていく山の上からの景色は最高です。」やろうと思っていたことと自分のやりたいことの狭間で揺れながらも、やりたいことに真っ直ぐに向き合った彼女は、今日も五分の成功に期待しながら顕微鏡と向き合っている。

​2年9組 女子