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さいとう つぐゆき

齊藤 継之 さん

卒業年:

1997年

 

現在の勤務先:

東京大学大学院

仕事内容:

農学生命科学研究科准教授

好きこそものの上手なれ​

好きなもので生きてきた人物である。平成27年9月にセルロースナノファイバーの開発により、マルクスヴァーレンベリ賞を受賞した。小さい頃からものを作ることが好きであったという。そのため、当時の夢は大工であった。大宮高校入学後はドラムへのめり込んでいった。成績は落ちたが、部活で学んだことが今活きている。大学には不合格という結果であった。しかし当時の担任の「浪人だ。」のひとことで浪人することを決意。高校での基礎的な勉強内容は後になって応用

できるため、この浪人時代で学び直せたことを考えると、長いスパンで見れば浪人は「成功」であったという。

猛勉強の末、東京大学理科Ⅱ類に合格。このとき、「やっとドラムができる。」と思った。農学部に入ったのは「木材を勉強したい」から。これは楽器の素材が木であるからであり、また木が好きだったからでもある。大工になりたいと思っていた理由でもあった。

その後、ドラムには実力の限界を感じ、そこで彼が思いついたものが「研究」であった。そして、木材由来の新素材の研究で成功した。自然と人が共生していく上で農学というものは大切であるという。「何ができるか?」という問に答えるのが農学であるようだ。

「大工」、「ドラマー」、「建築家」と彼が夢見た職は様々だが、すべて「それが好き」という共通点がある。迷った時は、「ただ好きなものやことについて立ち止まってしっかり考える。」このことが人生においては大切だという。 

​2年6組 女子

「好き」を極める

「何馬鹿なこと言ってんだよ。浪人だよ、浪人。」第一志望校に落ち、すべり止めの大学に進学しようと考えていたその時に当時の担任であった稲垣先生が笑いながら言い放った一言が人生を大きく変えた。

ドラムの魅力に取り付かれ、勉強もあまりせず、毎日のように夜遅くまでフォーク部での練習に没頭した高校時代。現在の「東京大学准教授」という肩書きからは想像し難い過去であるが、部活動における「自分が興味を持ったものに対して計画的に細かく課題を決めて限界まで練習に取り組む」という姿勢は卒業後も勉強や研究など、様々な面で大いに生かされたという。

浪人生時代を経て、東京大学理科Ⅱ類へ進学。高校時代から続けてきたドラムを限界まで極めることを決意し、ドラムの練習をしつつ、楽器といえば木材、木材といえば・・という理由で農学を学び始めた。そして、日々学んでいくうちに農学の面白さに気付き始め、最終的にドラマーとして生きる道に限界を感じた二十五歳の時、農学研究の道に進むことを決意した。この決意もまた人生を大きく変えることとなる。

2013年、長年の研究員や助教としての熱心な活動の末、東京大学大学院農学生命研究所生物材料科専攻の准教授に着任。そして2015年、セルロースナノファイバーの研究で、マルクス・ヴァーレンベリ賞をアジアで初めて受賞した。「自分の好きなこと、好きなものについて改めて考えてほしい。」母校の生徒に助言するその目は、農学分野の最高峰とも言われる賞を受賞してもなお、更なる高みを見つめている。

​2年8組 男子

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