埼玉県立大宮高等学校

創立90周年記念事業

大高​人から大高生へ

〜 君はどう生きるか 〜

大宮高校の創立90周年の年。大宮高校の体育館には、大宮高校を卒業した”大高人”が集結した。彼らの卒業年は1981年から2006年。その職種は、エンジニア、デザイナー、営業、プランナー、建築家、パティシエ、医師、助産師、栄養士、臨床心理士、弁護士、外交官、大学教授、研究者、経営者、と多岐にわたる。

失敗を恐れず、挑戦を諦めなかった”大高人”の表情は自信に満ち溢れている。将来が不安で、がむしゃらだったあの頃を思い出し、鏡に映る自分のように”大高生”を見つめる。

“大高生”はずらりと並んだ”大高人”を前に、将来の自分を想像し、照らし合わせている。  

 

“大高人”と”大高生”。

 

両者が交わることで、それぞれが新しい学びを獲得し、新しい挑戦が始まる。大宮高校のコミュニティは、100周年に向け新たな一歩を踏み出す。

次の世代のために

県立大宮高等学校は、前身の一つである成均学園高等女学校が昭和2年に創立して以来、今年度創立90周年となる節目の年を迎えました。 そこで、国内はもとより世界で活躍する本校の卒業生をお招きし、分科会形式で、記念講演会を企画いたしました。多忙なスケジュールをやりくりされて出席いただいた皆様に感謝申し上げます。  

「すべての人は、次の世代のためにさらなる高みに向かって努力をし続ける責任がある。」以前紹介した、アメリカのパスポートに載っているエリソン=オニヅカさんの言葉です。本校の卒業生は、文字通り、それぞれの職業を通じて、あるいは専門分野をとおして社会に貢献するとともに、在校生の皆さんの将来に道筋を示していただいています。  

皆様のそれぞれの講演を通じて、在校生の皆さん一人一人に改めて大宮高校の伝統を心に刻んでもらうとともに、将来の目標を考え、自主性と社会性を兼ね備えたトップリーダーを目標にしてほしいと思います。

校長 渡辺春美

自由、自主創造のある”校風”

大宮高校について調べてみると、校風、自由、とあります。私自身の高校生活を振り返ってみても、まさに自由であったと実感しています。ただし、それに次いで、自主創造、とあります。これは教育方針ではなく、校風です。先生方に守られて、私共卒業生や皆さんが、一緒に作り上げてきたものと言えます。大高生の皆さんは、今、自由な時間を享受し、創造的な個性を養っています。もしかすると、それほど実感のない方もいるかもしれません。  

今回の企画により、私共卒業生と在校生が直接対話できる機会を持てます。大宮高校で培ったものが、その後、どのような形で活きてくるのか、多様な話が出てくるものと思います。その中から、在校生の皆さんが、何かしら見えてくるものがあればよいな、と願っております。後輩の皆さん、高校生活を楽しんでください。そして、青春を謳歌してください。自由で創造的なこの場で学んだことは、今後の人生の礎となります。

大高人代表 齊藤継之

大高​人の講演会

大高人はそれぞれの専門領域をベースに講演会を行いました。ここではそれぞれの大高人の講演会に参加した生徒の​感想レポートを紹介します。

※各職業は2016年11月24日時点のものです

​※下記、講師47名から抜粋

疑問に思って

いたことの答えが

すぐそこに

ある気がする

初めは、雲の上の存在のように感じていた。 人生経験豊富で、僕らには想像ができないことばかり。 でも、話を聴いていくうちに、世代の壁が壊れていく。 先輩たちも、僕たちと同じように、この教室で学んでいた。 同じように悩みを抱えていた。 僕らの悩みの答えが、すぐそこにある。

積極的に

質問してみよう

知らなかった何かが、

わかるかもしれない

質問することは、緊張する。 何を聞いたら良いか、わからない。変なことを聞いたら恥ずかしいかもしれない。 でも、こんな機会は今日この瞬間しかない。今聞かなければ、一生後悔するかもしれない。 勇気を出して、手をあげてみよう。変な質問でも、話してみたら、何か知ることができるかもしれない。

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質問したら

質問以上の答えが

返ってきた

手を、挙げてみた。先輩は、こちらの質問を、紐解いて、優しく、答えてくれた。質問が一つの話題提供となり、想定以上の答えが返ってきた。質問したことで、先輩との距離が近くなったような気がした。勇気を出した一挙手は、一生の財産になった気がする。

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大高生が気づいたこと

迷っていい、

失敗していい

これからの人生が、

楽しみになった

先輩も迷っていた

共感できる話が多くてためになりました。私自身今進路で悩んでいて、自分のやりたいことは何なのか見失っていたので、東大の准教授になるような方でも高校生の時は迷っていたのだと知って安心しました。

楽しく仕事を語る

自分の仕事について語る先輩は、生き生きと楽しそうでカッコよく、こんな大人になりたいと思いました。私も厳しい道を敢えて選んでいきたいです。

心の奥に響くもの

私の将来をまさに描いたような人生を送られている先輩の話は、ものすごく共感する部分が多く、また自分に自信を持てました。心の奥で、何かのセンサーが振動するような、本当に深いところに響くものがありました。言葉では表せません。一つ一つの言葉を今一度かみしめて生きていきたい。

やりたいことを決める前に、広げてみよう

「 あれにも興味あるし、こっちも……」といろいろ迷っていたけれど、私の考えている「社会」「世界」はすごく小さく、今焦って決めるのはよくなさそうだと思いました。「高校生でやりたいことが決まっている人は”稀”」という言葉が心に響きました。まず自分の世界を広げていこうと思いました。

正直な自分と向き合ってみよう

何がきっかけで自分の生き方が変わるかわからないなと感じた。自分はいつも今の能力を指標にして何ができるかという観点からのみで進路を判断していたが興味がある何かをしたいという自分の正直な感情に従って進路を考えていくのもよいと思った。

高校での学びが役に立つ

「高校で学ぶことは社会に出て本当に役立つのか」という、誰もが抱くであろう疑問が、テーマの一つになっていて興味深かった。数学や物理がICT関係に役立つのはもちろん、理系に進んでも人との関係の中で文系科目が役に立つと聞いて驚きました。そして自分の進む道が決まっても、他の分野を学んだり興味を持ったりするのをやめないことが重要なのだとわかった。

大学に行くのが楽しみ

自分のやりたいことのためには自らが行動することが大切だと強く感じました。一つ一つに丁寧に全力で取り組みたいと思います。そして国内だけでなく世界を視野に入れていきたいです。謎に包まれた世界で積極的に学んでいこうと思います。大学に行くのがとても楽しみなりました。

勇気を出して質問できた

私は内気な人間で、なかなか自分の意見をはっきり伝えられず、対立を避けてきましたが、先輩や友達の対話を恐れない姿勢を見て、自分も変わっていかなくてはと強く感じました。最初はためらっていた質問も、その一歩としてすることができました。今回のお話で、狭く小さな世界だった私の視野がすごく広がったように感じます。

大高人が感じたこと

失敗を

糧にできる力を

これからも

この交流を大切に

後悔を反省に変えて、前に進もう

私の話や印象を、それぞれ個性あふれる観点で解釈してくださり、正直に感激しました。ひとつ生徒の感想文を読んだ上で付け加えさせてください。「こうしとけば良かった。。。」というのには、2種類あると思っています。後悔と反省です。いつまでも後悔の念にしがみついて前に進めないのと、反省としてそれを糧に前に進むことは大きく違います。長い目で見れば、マイナスなことはないかも知れません。そういう広い意味で捉えて、失敗を恐れずに自分らしく進んで欲しいと思います。

難しい話も理解してくれた

イベントでは、久しぶりに母校を訪問し、校歌を聞いたときにはかなりグッとくるものがありました。それだけ年を取ってしまったということかもしれません。

私の講演について、みなさんちゃんと理解してくださっていたようで、大変うれしく思っております。さすが大宮高校生、ポテンシャルの高い生徒さんが集まってますね!高校生のうちはなかなか想像しづらいエンジニアとしての業務の一端を理解してもらえたようでよかったです。

職業観がブラッシュアップされた

生徒さんから新鮮なフィードバックを頂けたことで、私自身の職業観というものもブラッシュアップできたと感じています。11月からイギリスでの勤務となりますが、100周年のときには戻ってきているかと思いますので、引き続きこのような機会がありましたらお声掛け頂けますと幸いです。

失敗を恐れずに、チャンスとして活かす力を

今回、生徒さんとお話をして、少し気になっていることがあります。それは、「失敗すること」や「失敗」への恐れがとても強い生徒さんが多いのではないかということです。受験もありますし、グローバルリーダーを目指されているからこそなのかもしれませんが、「失敗」という捉え方をしすぎず、糧、チャンスとして活かすしなやかさも知力・体力と同じように育って行ってくれたらと思いました。

高校生と話すことのメリット

生徒さんたちがちゃんと聞いてくれて、嬉しいですね。最低限コレだけでも伝わったら良いな、と思っていた言葉が彼らに伝わっていたようで、ホッとしました。今回参加しOBOGは、みんな高校生と話すことで得られることを期待して来ていましたので、このようなイベントは定例化して、ホームカミングデーの主要コンテンツとするのが良いように感じました。

母校の素晴らしさを再認識、これからも交流を

この度はすばらしい記念事業に参加させていただき、どうもありがとうございました。当日は本当に充実した時間を過ごしました。生徒の皆さんの積極性(特に女の子の積極性)は頼もしく、一卒業生としても、大学の教員としても、大宮高校の素晴らしさを再認識できて嬉しかったです。今後も大宮高校の先生方、生徒さんとの交流を継続できればと願っております。

編集後記

 

HR委員会委員長

実行委員の活動は、行事の主旨をクラスに最大限にアピールすること。そして何よりも難しかったのは分科会の運営でした。先行実施の分科会ではイメージを掴み、モティベーションが上がりましたが、本番は、50分のうち30分は質疑応答。とにかく質問が続くかどうか、とても不安でした。

当日、お話して頂く話、一言一句心に留めながら聞いていたら、たくさん質問を思いつき、司会として、また一参加者として、話を掘り下げたり、上手く質問を繋ぐことができました。「厳しい道を敢えて選ぶ」「すきを仕事にする」。私はそんな生き方を学びました。帰りのSHRには、たくさんのクラスメートの楽しそうで充実した姿がありました。

それぞれが学んだ“生き方”を共有したLHR、そして報告集。ワクワクはまだおさまりません。貴重な体験をありがとうございました。

HR委員

生徒が90周年記念行事を運営するという話を聞いたとき、受験モードに入った自分たち3年生にとっては、正直、歓迎というよりプレッシャーでした。それでも先生方の熱意に応えたいという使命感もあり、前日のHRで、「10組の皆がそれぞれの分科会で1つずつ質問をして盛り上げれば、この行事は絶対に成功する!」と呼びかけ、これに頷いてくれたクラスメートの笑顔に、行事への期待が高まりました。

そして当日。1年から3年まで約30名の大高生を上手く繋いで進行するのは予想以上に難しかったものの、世界を相手に日々奮闘している先輩の話は、自分が描いていた将来像よりも遥かにスケールが大きく、目の前の受験しか見えていなかった自分を、もっと大きな志を持たなければと奮い立たせてくれました。

大高生と大高人のこの絆の持つ力がこれからもずっと受け継がれていくことを願っています。

90周年準備委員

教諭  長田 美佐

90周年にあたり考えたことは、大宮高校の財産である卒業生と、今ここで学ぶ在校生を繋ぐ仕組みを作りたいということでした。それはいわゆる『有名人』である必要はなく、大高で育んだ力をもとに今社会で生き生きと仕事をしている、ロールモデルとしての『大高人』との出会いです。ただ講義を聞くのでなく、相互に関わりあって互いを刺激しあう経験です。

そこで、生徒の準備員会を中心に、少人数の分科会を実施し、その結果を各自が記事に表し、後にクラスで共有しするという形式をとることになりました。幸いなことに、様々な方の協力を得て、47名の『大高人』との出会いが実現し、今この輪が広がろうとしています。

そして、『大高生』の心にも次の『大高人』は俺たちだという機運が高まっていることを何より嬉しく思っています。そして、この仕組みが『大高人』の手によって受け継がれていくことを期待します。ご協力、ありがとうございました。

90周年準備委員・大高人(2006年卒)

教諭  羽鳥 友希恵

私には夢があった。1つはいつか大宮高校の教員として働くこと、もう1つはきっと自分が教員になったときは、同級生が社会で活躍しているだろうから、同級生を呼んで生徒に話をしてもらうこと。

夢が実現した。

世の中には、高校生にはまだ見えない世界が広がっている。先輩達からエネルギーをもらって今の自分や将来の自分を考え行動するきっかけにしてほしい。そして卒業生にとっても、高校生との交流を通して自分の人生を振り返るきっかけに、また先輩後輩との縦、そして横のつながりを作るきっかけとなってほしい。そんな想いから始まった行事であった。

91年目以降も社会で活躍する生徒をたくさん送り出せるように精進していきたい。この90周年行事を行うにあたり、多くの方にご協力をいただきました。感謝します。

大高人(2006年卒)

川久保 遼

「社会で輝いている大高生を集めたい。ぜひ協力してほしい。」羽鳥さんから連絡があり、とても心躍りました。今の大宮高校の生徒の皆さんに、自分の夢・キャリアを早くから思い描き、それに向かって今の高校生活をより充実させてもらいたい、その一心でした。

卒業して早10年、周りの大高人が非常に優秀で、夢や目標に向かって一線で活躍している姿を見ることができ、とても刺激のある機会となりました。何よりも話を真剣に聞き、純粋に質問してくださる生徒さんの姿勢を見て、私自身も身の引き締まる思いでした。

今後100周年に向けて、これまで以上に世界で活躍する大高生が増え、輪が拡がり、また母校の教室でぜひお話したいという方が増えることを強く願っています。私も10年後、より輝いている大高人としてお声掛けいただけるよう日々励みたいと思います。貴重な機会を与えてくださり本当にありがとうございました。

編集・デザイン・大高人(2000年卒)

梅澤 朝樹

母校の90周年という節目の年に、このような記念誌のデザインを担当させていただいたことを大変光栄に感じております。記念行事における先生方の強い思いを感じた時、その思いを形にしたいと思いました。また、関係者の方々がいつまでも手にとりたくなる物を作りたいと決意しました。

「大高人」という言葉には、「”大人”になった”大高生”」という意味が含まれています。大宮高校生であれば誰もが口にする「大高生」と対になる言葉を作ったのは、「大高生」と「大高人」の世代を越えたつながりを、今回の行事だけで終わらせることなく、今後も広げていきたいと

いう想いからです。

この報告書が、「大高人」と「大高生」のつながりを更に深めるきっかけとなり、大宮高校の継続的な発展に貢献できるものとなれば幸いです。